ごあいさつ
岩谷さんに初めて会ったのは昭和 54 年のことだったと記憶している。同県人ということもあってその後親交を深めてきた。そして、過去何回か東京、大阪で個展を開催し、岩谷徹のマニエール.ノアール・ノワーノレの世界を紹介してきた。
岩谷さんは仲々の勉強家であり、理論家である。そして容易に妥協を許さない一徹さを持っている。時にはそれが災いして損をしている面もあるが、他方面に亘る博識には頭が下がる。マニエール・ノワール一筋、少しの怠惰も許さない制作態度は、能シリー ズの近作の充実さに如実に表われているような気がする。
今回、作品 100点の完成を期して銅版画集を刊行する運びとなり感慨ひとしおである。
今後益々の精進を期待してやまない。
1991年7月
オスカーアート(株)
代表取締役小野正美
|