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岩谷徹
ノリアキ瀬尾 松涛美術館学芸員
岩谷 徹は今日やる者の少ないメゾチント技法のストイックな実践者である。
この黒の技法は黒のバックの中に浮かぶ主題の裏に潜む深い世界の表現を 特色とする。たとえば能面作品など数少ない色が使われている。
この特色あるシリース゛は幽玄といわれる美意識,それは秘するという唯一,日本の伝統芸術の要素を表現している。彼の能シリース゛は悠久と夢幻の世界の表現を可能にした。
能面.月.貝.木々の葉.海など,メゾチントの黒の中で微風がそよいでいる。
2005 10月
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